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フレーム
私たちは感受性を持っています。 五官で外からの刺激を受けます。
 その五感は視覚、聴覚、嗅覚、触覚そして味覚です。 受けている情報
 量は夫々 87.0%、7.0%、3.5%、1.5%そして1.0%に分けられます。

例えば寝ている時、他の部屋の火事にあった場合は、燃える音によっ
 てまず目を覚まし、続いて臭いにより火事を知ることになると思われま
 す。 閉じてしまう視覚器官に対し、より少ない情報量を受ける聴覚器
 官の重要性が判ります。

その聴覚として耳から入って来る音を主に扱う建築に携わっていま
 す。 建築音響の分野になります。

ただ、音を感じるのは鼓膜を振動させる空気伝ぱ音だけではなく、体で
 感じてしまう骨導音もあって理解しにくくなっています。 ましてや人それ
 ぞれの感受性には個体差による強弱があります。 さらに幻聴というも
 のや、一旦脳にきざまれて脳裏から離れない音も作られてしまいます。

騒音問題が起きた時に、その被害を受けた方が作為的にまだまだ聴
 こえると言えば、他の人ではその判断のしようがありません。 そのよう
 な感覚的なことから見ても音の問題すべてが解決できるというわけでも
 なく、解決不可能であろうと思われる問題も出てきます。

そういう音のことですから、エネルギーとしての物理量を定量的に捉え
 る立場と、感覚面を加味し建築的に考える立場とでは差がでますし、電
 気的に補整される音もあり、一様ではないと考えています。 定量的な
 エネルギーとしての基本認識も必要ですが、感性の面から自由かつア
 バウトな捉え方をする必要性が、音に携わる‘建築ヤ’に与えられた方
 向性かと感じています。 とはいっても、音を定量的に捉えることで共通
 の判断基準とする必要があります。 感覚の刺激量は数値には表しに
 くいからです。

“自然の恵みプロジェクト”とは、23年前に天災人災に耐性を持つ省〈小〉
 エネルギー化住宅を目指して計画を開始し、自宅を設計施工(CM手法
 で建築)をしました。 そんな折、関連資料を読んでいて、青山貞一さん
 の著書《小エネ住宅奮戦記/1983年発行》に共感をし、是非自分の手で
 自然のエネルギーを享受できるようにしようと意を新たにしました。 
 そのような事が原点になります。

自然の恵みを受け、自然のエネルギーを使うことも興味があり仕事の
 一部にと考えています。 大切な地球のためです。 これがサスティナブ
 ルという考え方です。 建設業登録をしている松戸事務所にショールー
 ム機能を持たせる目的での、リモデリングを計画していますので、その
 経過も報告したいと思っています。 聴覚以外、特に味覚関連に関して
 もお伝えしたいと思います。

自然の恵みを受け、考える力と五感を与えられた生き物である人間
 が、家族や関係の無い周りの人或いは他国に出向いてまで人を傷つけ
 殺し合いをしているのは、世界中に起きている自然災害もあいまって地
 球という存在に何が起きているのでしょうか!
自然の恵み  プロジェクト